CPRメータの必要性 「感覚判断から測定判断へ」
2014年03月6日
>CPRメータが3月より発売になりました。
AEDも必要だけれども、もしかしてAEDよりも必要かもしれない?
そう思ってしまいそうな一品です。
ホームページでも販売を開始しました。
価格は130,000円(税別)
短期での利用には高価なものなので、レンタルも開始する予定です。
なぜ必要性が高いと考えられるのか?
AEDの使用が社会的にも注目されていますが、蘇生にはAED使用前後の心肺蘇生法が大切なことも知られています。
倒れている人を発見してから、救急隊が到着するまでの時間で、もっとも実施時間の割合が多い手技は胸骨圧迫の時間です。
胸骨圧迫のクオリティが高ければ、AEDの使用時の効果も高くなりやすく。胸骨圧迫のみで蘇生する事例も多くあります。
そのため、胸骨圧迫はクオリティを上げる必要性も高いと考えられます。
では効果的な胸骨圧迫はどのようなものか?
心肺蘇生法のガイドラインでは下記のようになっています。
① 胸骨圧迫のテンポ 1分間に100回〜120回
② 胸骨圧迫の深さ 5cm以上
③ フルリコイル (圧迫解除をしっかりする)
④ 蘇生行為の全体時間のなかで胸骨圧迫を実施している割合が80%以上
現在、上記の①〜④の胸骨圧迫における適正な値というものは、実際の救命時に「感覚」でしか判断できませんでした。
人の感覚にたよれるのはどのような人でしょうか。匠の技ともよべる熟練の職人だと感覚を信じても良いかもしれません。救命の匠といえるのは救急救命士でしょうか。実際には救急救命士でも測定をすれば「感覚」で判断していることもあり胸骨圧迫の深さが足りないなどクオリティが下がっているケースも多くあるようです。
ということは一般市民に効果的な胸骨圧迫を確実に実施するということは非常に難しいとも言えます。
多くの人は救命講習で5cmしっかり押せても、実際の救命時にはしっかり押すことができないと言われています。
やはり、生身の人間の胸を躊躇なく押せる人は少ないと思います。どこかで手加減してしまうのではないでしょうか。
その難しい理由の最大の原因は「感覚」でしかなかったからですね。
手の感覚、体内時計のリズム感、目で見た感じなど、感覚で判断しないといけないものでした。
CPRメータを使用することにより「感覚」から「測定値」を見ての判断ができるようになることが大きいと思います。
CPRメータは圧迫センサーや加速度センサーを内蔵しており、センサーで測定した結果を下の画像のように視覚的にサポートしてくれます。
写真黒い画面表示の左側は縦のゲージを上下にバーが移動し、圧迫深さや圧迫解除の状態を視覚的に教えてくれます。
写真黒い画面表示の右側はタコメータのようにテンポの速さを針が左右に振れて教えてくれます。
では、CPRメータの詳細説明をします。
■使用対象者
心肺蘇生法が必要な成人
※新生児、ならびに8才未満又は25㎏未満の小児に使用できません。
※臨床使用可
■仕様
・重さ 227g
・サイズ 154×64×28(H×W×D(mm))
・バッテリ 3.0V 円筒形リチウム1次電池
・容量 新品のバッテリを使用した場合、30分間のCPRイベントを6回以上実施可能
・待機寿命 2年間(装着後、スタンバイ状態で保管した場合)
■使用方法
① 電源を入れる
② 粘着パッドの台紙をはがし胸の中心(胸骨の上)に貼る。
③ CPRメータの画面を確認しながら胸骨圧迫をします。
※AED使用中に貼っておいても問題ありません。
胸の中心に貼ったままAEDを使用すると壊れるのではないか?と思われる人も多いかと思いますが、剥がす必要はありません。そのまま使用可能なように作られています。
■機能
リアルタイム画面表示
・胸骨圧迫深さ
・圧迫解除
・圧迫のテンポ
クイックレビュー画面
・全体使用時間
・適切な胸骨圧迫深度の割合
・適切なリリースの割合
・適切なテンポの割合
・蘇生時間における胸骨圧迫の割合(CCFの割合)
ほかにも記録機能
・CPRのイベントデータ記録
記録機能がありデータを解析することで事後の検証も可能になります。
以上、必要性の高さやCPRメータの詳細の紹介でした。