ペースメーカー埋め込み患者の心配、AEDの使用法について
2011年11月29日
先日、お問い合わせをいただきました
ペースメーカーを埋め込みされている患者さんからの相談です
もし、救命講習を受けてもペースメーカーのことなど知らなかったという方は是非、下記内容に目を通していただければ幸いです。
救命講習でしっかりと講習をされる熱心なトレーナは、ペースメーカーが埋め込まれている患者さんの場合の、AEDの使用方法について説明をしていると思うのですが、今回は患者様自身の心配でした。
ペースメーカーを埋め込まれるということは、突然死のリスクを抱えているということになります。そして、AEDを使用される立場の方です。
誰かにAEDを使用されるとペースメーカーが壊れるのではないか?
AEDを使用されても大丈夫なのか?など質問をされました。
ドクターに質問をしたらしいのですがはっきりと回答がえられなかったとか・・・
簡単にペースメーカーの説明ですが
・ペースメーカーとは
心臓が正しく動くよう心臓状態を監視し正常な心拍を保つための補助をする医療器具です。
下記、画像の製品は非常にコンパクトなもので、体の中に埋め込まれています。
埋め込まれる場所は、左右どちらかの胸の上部に埋め込まれています。
・見分け方
ペースメーカーを埋め込まれていると、左右どちらかの胸の上部に数センチの手術痕や、ペースメーカーが入っている部分が膨らんでいるなどわかるようになっています。
・AEDの使い方
ペースメーカーを使用された患者様に対してのAEDの使い方は2つ考えられます
① パッドをペースメーカーが埋め込まれている部分から少し下にずらして貼る
ペースメーカーの真上に貼ると直接強力な電力がかかりますのでペースメーカーが故障したり、十分な除細動の効果が得られない恐れがありますので、少し下にずらして貼ることをおすすめします。
電気は、パッドとパッドの間の最短距離を通りますので、少しずらして貼るだけで故障のリスクは大幅に軽減されます。
② 左右逆に電極パッドを貼る
右胸上部に器械がある場合、左胸と右脇腹に電極パッドを貼るという方法
右胸と左脇腹に貼るともっとも効果的ということで、パッドにも貼る位置の絵が記載されていますが、左右逆に貼っても効果が半減するわけではありません。
小児の場合などは、胸の中心と背中の中心に貼って心臓をはさむようにパッドをはりますが要は、心臓をはさむ位置にパッドをはれば一定の効果はあります。
今回は、患者様の心配でした。
弊社からの回答として患者様には、AEDを使用されることでペースメーカーが壊れる可能性はないとは言えません。
倒れた際には、AEDを使用してもらわないとペースメーカーは壊れませんが助かる可能性がほぼなくなります。AEDを使用してもらい蘇生してもらうことが最重要です。
救命講習でも、熱心なトレーナの方はペースメーカーを入れられている患者様へのAEDの使用法なども教えています。
必要以上に不安をいだかれないようお願いいたします。とお伝えしました。
ペースメーカーを埋め込まれている患者様の心配も少しでも軽減できればと願います。
救命コムでも、AEDをレンタルしていますが、救命コムで取扱しているAEDは心臓の心拍を解析する際に、ペースメーカーの信号も解析判断されるAEDです。他社製品は解析項目が2項目と最低限の解析ですが、救命コムの取扱AEDは4項目あり特にペースメーカーの心配がある方におすすめです。