一般市民のAED使用の考え方
2008年02月1日
昨日、お問合せのお電話があり
「AEDって誰でも使っていいんですか?」
という質問がありました
あ~まだまだ知られていない… と実感します
一般市民でも、AED(自動体外式除細動器)を使用できます
2004年7月から一般市民が使用できるようになりました
AEDを使用してもいいというが
AEDはどういう考えのもとに、一般市民の使用が認められたのか…
ただ、医療機器メーカーの販路拡大のためなのか
もしくは現状に問題があって必要になったのか
などなど… 考える人もいるかもしれません。
これは、後者です
現状の救急救命体制では超えれない問題があるからです
今回は、厚生労働省での一般市民がAEDを使用するに際しての考え方を検討した内容をご紹介します
※赤字の部分は青字の部分の原文をわかりやすく言うとどういうことか書いてみました
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第2 非医療従事者が自動体外式除細動器を使用する条件についての考え方
※一般市民がAEDを使用する時の考え方
1 非医療従事者の参画による救命の体制強化
○ 前述のとおり、救急医療体制や病院前救護体制は、これまで、関係者の努力により充実・強化が図られてきている。これをより一層推進するためには、救急隊員の現場到着を早める努力と並んで、「救命の連鎖」をその出発点において、より多くの人々の参画により強化することが必要である。一般市民を含めた幅広い非医療従事者が参画し、救急救命士を始め救急搬送に従事する者に適切に引き継ぐことにより、「時間の壁」を乗り越えることに資するものであるべきである。
※病院や消防署は、救命体制向上に向けて努力しているが、
さらに救急救命体制を向上するには、一般市民の協力が必要です。
救急車が到着するまでの時間を一般市民に協力していただくことが
時間の壁を乗り越えるために必要です。
2 傷病者の安全の確保
○ 時間を争う救急蘇生の局面にあっても、何にもまして、傷病者の安全が優先されなければならないことは論をまたない。非医療従事者が自動体外式除細動器を使用方法に則り適正に使用する場合の救命率向上に資するものとし、使用に伴う傷病者の不利益をゼロに近づけるとの方向にかなうものであるべきである。
※救命の際に、傷病者の安全はもっとも大切なことです。
一般市民がAEDを正しく使用し、助かる確率の向上につなげ
傷病者の生命と安全を守ることにつながるものにするべきである。
3 使用者の安心の確保による積極的対応
○ 救命の現場に居合わせた一般市民を始めとする非医療従事者が、安心感・自信をもって、積極的に救命に取り組むことを促すようにするものであるべきである。
※一般市民は救急の現場に居合わせたら、安心感と自信をもって
積極的に救命に取り組むことを進めていただきたい
○ 上記の4条件は、業務の内容や活動領域の性格から一定の頻度で心停止者に対し応急の対応を行うことがあらかじめ想定される者が自動体外式除細動器を用いたときに医師法第17条との関係で示されたものである。一方、救命の現場に居合わせた一般市民が自動体外式除細動器を用いることは一般的に反復継続性が認められず、医師法違反にはならないものと考えられる。医師法違反の問題に限らず、刑事・民事の責任についても、人命救助の観点からやむを得ず行った場合には、関係法令の規定に照らし、免責されるべきであろう。
※一般市民が、救命の現場に居合わせAEDを使用しても医師法違反にはなりません。
そのほか、民法刑法でも人命救助の際にやむを得ずおこなった行為の責任は、原則として免責される。
参考:民法第698条・刑法第37条
○ 当検討会が示す条件は「法違反に問われない」、「損害賠償責任を問われない」という、言わば消極的な安心感を与えるものにとどまらず、医学的知識を含め救命についての理解に立って、自信を持って救命に積極的に取り組むことを促すものであるべきである。
※民法や刑法で罪に問われたり、損害賠償責任を問われたりする
リスクが少ないことへの安心感からの一般市民のAED使用だけでなく
救命講習を受け救命の知識と理解をもって
自信を持って積極的に救命に取り組んでいただきたい。
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厚生労働省の検討会の一部でした。
赤字で分かりやすく書きましたが、私の私見が入っております
正確には青字の部分をお読みいただくとよろしいかと思います。
今ある周りの現状はどうでしょうか?
少子高齢化
ストレス社会
突然死数の増加
救急車の到着時間の遅れ
などさまざまあります
この現状に対して
心疾患による突然死に3分以内のAED使用が求められます
一般市民の参画は必要不可欠です
高度な社会を実現し、豊になった今
自分のためだけに生きるのではなく
もっと、人のために生きて生きる努力も必要ではないでしょうか
私たちの努力で助かる命は多くあります
助かった命は、多くの豊かさや、幸せを生んでいきます
AEDを使用する考え方として、命の大切さも考えていただきたいと願います。
時代環境が一般市民の救命への参加を求めています
心肺蘇生の重要性
2008年01月24日
本日は、心肺蘇生(CPR)の大切さを知っていただきたいと思います。
2004年7月からAEDが一般の誰にでも使用できるようになり急速に普及しています。
その中、AEDの効果に頼りすぎる傾向が増えているように感じます。
救命講習を受ける機会も多くなってきておりますがAEDの使用方法が知りたいという声が大きいですね
確かに、AEDの使用方法を知っていただく必要がありますが、基礎となる「心肺蘇生法(CPR)をマスターすることが、本当は重要」なのです!
以前、AEDの効果が100%ではないというご説明もしましたが、まだ、AEDがあれば大丈夫だろうという声もあると思うので面白い研究論文をご紹介します
病院外で倒れ心室細動のためAEDによる除細動をほどこしたが、自己心拍再開が認められなかった患者へCPRをした結果でがでています。
※52例の病院前におけるCPRクオリティと結果
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適正なCPR 不適正なCPR
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現場での心拍再開数: 8/15(53%) 3/37(8%)
病院到着時の心拍再開数: 13/15(87%) 5/37(14%)
入床時の生存者数: 11/15(73%) 3/37(8%)
退院時の生存者数: 8/15(53%) 3/37(8%)
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結果として、適正なCPRを受けた患者と適正ではないCPRを受けた患者を比較すると退院後の生存確率は6倍以上となった。という内容です。
詳しい内容は、レールダルメディカルジャパン社より発行されております、「Q-CPR研究論文サマリー集」に掲載されております。
何度もいいますが、AEDの効果は100%ではありません
上記のデータは、AEDによる除細動をしていますが、それでも蘇生しなかった時にCPRをして助かった確率です。
すばやいCPRでの効果は高くなります
しかし、CPRの質で数値が6倍以上も差があるという結果もでております
CPRをしなければどれだけの差があるでしょう
AEDを導入した、公共機関や教育機関、企業さまざまあると思いますが、AEDを導入した時に、救命訓練を受ける!これは当たり前のことです!
これだけ重要な心肺蘇生です年一回ぐらいは定期的な訓練してほしいものです。
あなたが心肺蘇生法をマスターして、いつでも行える勇気を持てば目の前に倒れた人の助かる確率を6倍以上あげる力になります。
なかなか、救命講習を受ける機会がないという方は!
「BLS自己学習キッド」をおすすめいたします。
DVDによるトレーニングビデオでの丁寧な解説がわかりやすく家で学べます!
成人と小児にも対応しており、子供がおられる家庭にもお勧めです
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ともに、助ける力となりましょう
ご意見ご感想などあれば、コメントいただけると幸いです。