救命コムの10年を振り返って
2014年02月6日
救命コムとしてAEDのレンタル事業を開始したのが2005年
2014年となり今年で9年目、AEDが一般市民に普及されて10年目となりました!
すこし、昔を思い出しながら書いてみたいと思います。
■新事業の模索
2004年、1年ぐらい時間をかけながら事業計画を考えていました。
もともとレンタル事業をしていることもあり、これからの時代が必要とする
ものをレンタルすることをコンセプトとした新しいビジネスモデルを考えていました。
■2004年7月 「誰もやらないならやってやろう!」
AEDが一般市民でも利用可能になりました。
AEDは当時、1台購入するのに30万円以上していました。
AEDは、救急車が到着するまでの数分間に必要な機械ですが運動会や、マラソン大会など数日の催し物のために30万円もするAEDを購入し備えれるわけがない。
ということは、AEDの短期レンタルが必要だと単純に思いました。
しかし、インターネットで調べるとどこで購入したらよいかもわからない状況だったうえに短期AEDレンタル事業者がいない状態でした。
AED普及のきっかけは、皇族の方がスポーツ中に突然死されたことやスポーツの最中に子供が突然死し、残された遺族などがAEDを一般市民にも使えるようにしてほしいという運動もあり、一般市民が使用できるようになったという過去がありました。
誰かがレンタルしないと、運動中やイベント会場などにAEDの備えが進まず助かる命も助からない。誰もやらないならやってやろう!そう思ったのがきっかけです。
レンタルで多くの人の役にたてる。そう思った瞬間でした。
■2005年 予算500万円から開始
ドクターやいろいろな方々に、お話をお聞きし協力をいただきながら市場調査と同時に準備をすすめ2005年から事業を開始しました。
社内ベンチャーとして予算500万円からスタートです。
小心者なので予算の半分ぐらいしか使わず小さく開始しました。
■「命を救ってなんぼの事業」 救命コム(kyumei.com)
社内ベンチャーで一人で事業を開始しましたが、どうせやるなら日本一役にたってやろう!
そしてホームページを開設する時に、ドメインを考えました。
kyumei.com 救命コム です。
AEDをレンタルする事業として開始しましたが「救命」という言葉に思いを込めました。
AEDをレンタルすることで利益を得ることを目的、ゴールとするのではなく命を救ってなんぼの事業なんだ!という初心を強く願い事業ドメインネームに込めました。
最初は、自分で手作りのホームページを作成しました。
■AEDの無料レンタル
ホームページを開設し準備は着々と整っていきましたがAED単品のレンタルで事業が成立するのか・・・
需要はある必要とされていると思っているのは自分だけなのではないのか・・・
そのような不安もあり、お客様の意見や反応も確認したく事業開始当初の数ヶ月は無料でAEDをレンタルしました。
ところが・・・
無料でもAEDのレンタル注文はほとんどありませんでした。
数ヶ月で、月に1件あるかないかの注文。
そして、問合せの電話やメールを何度かいただいたのですが、問合せの内容が
「AEDを備えて企業にデメリットはないのか?」
「AEDを使用したら訴えられるのではないか?」
などというリスクを気にする声が多かったことと
「レンタルできるというが商品は大丈夫なのか?」
「裏に何かあるのではないか?」
というようなサービスへの不信感や、疑いのようなお問合せを多くいただきました。
AEDという命を助ける重要で高価な商品が無料ということが逆にお客様の信用をなくしていることに気がつき、無料では駄目だと悟らされた期間でした。
命を助ける商品を適切に管理し、適切な価格を設定し、お客様に安心していただかないといけないと深く考えさせられました。
■2006年 のじぎく兵庫国体 奇跡のAED100台レンタル
当時、保有しているAEDは5台
しかし、救命の情熱は高く日本一を目指していました。
そして、社内で事務員さんと
「日本一になるには日本一のイベントにレンタルしないといけないね!」
「日本一のイベントって何だろうね?」
「国体かな?」なんて話しながら
「じゃぁ国体にAEDをレンタルしてもらおう!」
なんて話をしたものの、そんなつてもなくどこで今年は国体をしているかもしらない状況でした。
そんな話をして1週間ほどしたとき奇跡がおきました
国体局から連絡があり
「AEDを200台レンタルしたいが対応可能か」
問合せに対して
「対応可能です!詳細はお伺いしてお話させてください。」
たったAEDが5台しかない状況のなか、即答で対応可能と応えました。
ここで、この国体にAEDをレンタルできないと日本一役に立つことはできないと腹をくくりフクダ電子さんからの協力も得て100台なんとか用意することができました。
たぶん国内最初のAEDを大量に備えたイベントだったと思います。
■社内の風当たり
国体終了後、AEDの保有台数を増やしたものの注文数は少ない状況が続くと社内でも風当たりは強くなりました。
役員からも保有しているAEDの売却を指示され、社員からも陰口をたたかれなんとも苦しい状況でした。
損切りし撤退するか、悩みましたがやはり必ずAEDの短期レンタルは必要だという強い思いもあり、耐えた時期でした。
耐えていると少しずつ注文も増え少しずつ風当たりが弱くなっていきました。
■2007年 トレーニングマネキンの開始
AEDをレンタルしながら、お客様やAED普及に貢献されている方など
さまざまな方と交流していて、AEDは普及し始めたがマネキンがないから救命講習ができないという声を聞く機会が何度かありました。
命を救うのは機械ではなく人です。
AEDをレンタルするだけでは、命を救う大切な人を育て増やすことができない。
救命講習で使用するマネキンをレンタルしないといけない。
次の商材としてマネキンのレンタルを考えました。
ここでも奇跡が・・・
レールダル社のマネキンがとても良く普及していることがわかりましたが、世界トップシェアの大きい会社で、代理店網が固まっている市場であるため商品を直接商品を仕入れるのは難しいと思い代理店から2体マネキンを購入しました。
購入して、マネキンをレンタル準備をすすめて1ヶ月過ぎた頃
事務員さんから
「レールダルという何かわからないとこから電話です」
「えー!!!」
と驚きとともに電話に出ると、救命コムのAEDのレンタルサービスに注目していただいており、一度訪問してお話をしたいということでした。
もちろん、即答で予定を決めて会うことになりました。
そして、お会いし救命コムのレンタルサービスを高く評価していただき、レールダル社から、自社製品のレンタルをしてほしいとの依頼をいただき、マネキンレンタルを引き受けさせていただきました。
思い出しながら、このブログを書いていましたがだいぶ長い文章になってしまいました。
事業開始前半、ドラマチックな出来事が多い時期でした。
ここに書き切れないさまざまな出来事がありますが、あまり長くなりすぎてもいけな
いので、今回はここまでにさせていただきます。
10年目を迎えて変わらぬ初心と情熱をもって多くの人の役に立ち続けたいと願っております。
続きは機会がありましたらブログに書き残したいと思います。
最後までブログを読んでいただきありがとうございます。
感謝
ジュニア防災士検定から見る救命
2013年12月12日
第一回ジュニア防災検定が先日、12月8日に開催されました。
なんで子供達に防災検定が開催されることになったのか
この検定が始まるきっかけとなった事例が東日本大震災にあるようです。
■「釜石の奇跡」
この言葉をご存じの方も多いかもしれません。
岩手県釜石市は東日本大震災の津波により死者は1000人を超しました。
しかし、小中学生は2921人が津波から逃れ、生存率は99.8%だったそうです。
他の地域から比較しても高い生存率から「釜石の奇跡」と言われています。
生存率が高かった理由は、津波てんでんこ(※防災標語)をもとに定期的な防災訓練
を実施していたとのことです。
この定期的な訓練の結果、実際に学校にいた子供も下校中の子供も、自分で判断し高台に避難したそうです。
■防災と救命の共通点
いくつか共通点はあるかと思います。
1つ、いつ発生するかわからない
2つ、薄れゆく危機意識
3つ、生命の存続にかかわる。
いつ発生するかわからなく
そのため、日常生活のなかから、危機意識は薄れていきます。
そして、発生したら命の危機を迎え生命の存続にかかわります。
■定期的な訓練の必要性
防災や救命の事態が発生したとき、まず同じく言えることは
考えている時間や、迷っている時間が命取りになるということ
実際に、津波による溺死者の多くは
・服をたくさん着込んでいた
・現金をたくさん所持していた
などということを聞きます。
大人は、家に帰り服を着込み、現金を取り行ったのでしょう。
後の生活を考えると多くの人が同じ行動をとると思います。
しかし、防災や救命の事態、余計なことを考えては駄目なんですね。
釜石の子供達は、逃げろと叫びながら、中学生は小学生の手を引き、老人の手を引き一目散に安全な高台に逃げたそうです。
助かって、命がつながることで後のことを考えれます。
釜石の子供達は、定期的な訓練を受けていましたが、大人は定期的な訓練はあまり実施されていなかったとのこと。
もちろん、周辺自治体の子供達も同様で、積極的な定期訓練は実施されていなかったとのこと。
運命の分かれ目は、定期的な訓練だったのではないでしょうか。
1年に1回または数回の数時間の定期講習で助かる命が多いことがわかります。
救命講習や防災訓練の付加価値が低いと思われている方が多く、めんどくさいという声も良く聞きます。
しかし、定期講習の付加価値はとても高いという認識を持っていただきたいです。
救命コムでも救命に貢献できるようサービスや品揃えの充実を常に考えており、今後もチャレンジを続けていきますのでご期待いただければと思います。
ほか、私どもでもお客様のご要望を把握しきれいていないところもあるかと思います。このようなサービスをしてほしいとか、このような商品をレンタルしたいなどご意見や感想などありましたら救命コムにメールやお問合せをいただければ幸いです。
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