胸骨圧迫は疲れる?!
2011年11月12日
胸骨圧迫の胸を押す深さは新しいガイドラインで5cm以上(成人)となっています。
救命コムのレンタル品、リトルアン(成人上半身マネキン)も最新のG2010に対応すべく、部品交換をすべて完了し対応しています。
■新旧マネキンの違い(リトルアン)
マネキンにも種類がいっぱいあるので、ここでは一般の救命講習でよく利用されるリトルアンという成人上半身マネキンについて書きます。
違いとなるのが、胸骨圧迫の深さでです。適切な深さで胸を押すとクリック音がカチッとなります。
※旧ガイドライン2005・・・約3cm押すとクリック音
※新ガイドライン2010・・・約5cm押すとクリック音
あくまでも、マネキンです!
これぐらいは胸を押してね!というところで音がなるのですが深さは倍ではないですが倍近い深さ押す必要があります。力的には倍以上力がいるのではないでしょうか。
同じ3cm押すにしても、0cm~3cm押す力と、3cmからもう3cm押すのとかける力が違います。
新しいガイドラインになって、胸骨圧迫に必要な力は倍ほど強くなったと言っても過言ではないかもしれないと思います。
■実際に救命講習受講者を見て
実際に、新しいガイドラインのマネキンと、旧ガイドラインのマネキンを同じ救命講習で使用してみました。
旧ガイドラインは、ほぼ全ての方がクリック音が鳴るまで胸を深く押すことができていました。
新ガイドラインは、女性の細身の方はなかなかクリック音を鳴らすことができませんでした。男性も「え!?こんなに深く押すの?」と驚きながらも、肘をのばし、しっかりと体重を乗せるとほぼすべての方がクリック音がなるまで深く胸をおせていました。
やはり、胸骨圧迫は以前のガイドラインと比べて非常に疲れます。
救命講習を実際に受講していない人は、知識で知っていても必要な圧迫深さまで押せないのが現状と思われます。なぜなら、救命講習を受けていても必要な深さまで、押すのがむずかしい人もいるぐらい深く押す必要がありますが、生身の人間の胸を押すとなるとどうしても躊躇して押す力も弱くなります。
したがって、知識だけしっている人は十分な力で胸を押せる確率は格段に低くなると想定されます。
■大事なこと
このように胸骨圧迫は非常に疲れます。
救急車が到着する平均時間は約8分ほど、道が混んでいたり、山間部だったりすると10分以上胸骨圧迫を続けないといけませんが、一人で効果的な胸骨圧迫を続けることはほぼ不可能でしょう。力尽きます。
大事なことは「仲間を呼ぶこと」これが非常に重要です。
近くにAEDがあれば取りにいってもらわないといけません。
119番にも連絡して救急車も呼んでもらわないといけません。
道路上であれば、交通整理も手伝ってもらわないといけません。
野次馬が集まれば、混乱しないよう手伝ってもらわないといけません。
そして、胸骨圧迫を交代してもらう仲間がいります。
やることは場所次第でいくつも想定されます。
蘇生に胸骨圧迫が重要視されています。
胸骨圧迫がどれほど大変であるか、なるべく多くの方に知って頂き近くで誰か倒れたらAEDを持って走っている人を見かけたら、胸骨圧迫とかできることがいっぱいあります
AEDが普及し、一般市民の救命への参加が求められています。
是非、お手伝いお願いいたします。
救命コムでは、最新のマネキンとAEDを全国にレンタルしています。
レンタル期間は、1日からでも自由に選んで頂けます。
ご利用お待ちしております。
長距離走後の女児死亡事故 学校側AED使用せず(産経ニュース)
2011年10月14日
長距離走後の女児死亡事故 学校側AED使用せず
2011.10.14 12:38
さいたま市北区の市立小学校で9月、6年生の女児=当時(11)=が長距離走の練習中に倒れ死亡した事故で、学校側が校内に設置されている自動体外式除細動器(AED)を使用しなかったことが14日、同校などへの取材で分かった。
市教委などによると、女児が死亡したのは9月29日。午後4時5分ごろ、駅伝大会に向けた長距離走の練習中に女児が倒れ、養護教諭が同8分に119番通報。同13分に救急隊が到着したが、既に呼吸がなく心肺停止状態だった。救急隊は持参したAEDを使用し、同28分に病院に向け出発した。女児は病院に搬送された後も意識不明の状態が続き、翌30日夜に死亡した。死因は不明。
同校によると、教諭らは女児を保健室に運び、様子を見守っていた。校内にはAEDが設置されていたが、女児が倒れた直後は脈があり呼吸も確認されたため、使用しなかった。
同校ではAEDの使用講習会を実施していたが、「呼吸と脈がないことを確認した場合にAEDを使用する」という設定だったという。市教委は今後、第三者の専門家による検証を行う方針。
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この手のニュースには毎回ショックを隠せない・・・
まず、学校のどこに設置してあったんだろう?
日頃から目につく場所に設置していたのだろうか?
学校では使用講習会を実施していたというが本当だろうか?
どこまで真剣に取り組んでいたのだろうか?
導入時だけでなく、年一回ぐらい定期的に救命講習をしていたのだろうか?
呼吸と脈がないことを確認した場合にAEDを使用すると練習していたようだが心肺蘇生法では、意識がなければすぐに救急車を呼んで、AEDを取りに行くように講習はされているはず
死の問題は、なかなか日常では認識しずらいかもしれない
死と言えば、最近の出来事ではスティーブ・ジョブズのスピーチが印象的です。
※スピーチ抜粋===========================
誰だって死にたくはありません。天国に還りたがっている人も、そのためにわざと死のうとは思いません。それでもやはり、死は私たち全員に共通の目的地です。死から逃れた人は誰もいませんし、それでいいのです。なぜなら死というものは、おそらく、生が生んだまさに最高の発明品だからです
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死とは最高の発明品とジョブズは言われています。
悟りのようなこの言葉、まさにその通りだと思います。
生きるということは、死ということも併せ持っています。
人は、生きてても死んでもどちらでもいいような、「物」のような替えがきく軽いものではないと思います。
だから、AEDの備えも必要とされ普及しているのではないでしょうか。
学校は、教育の場です。
命の教育も、もっと真剣に考えてしてほしいと思います。
AEDは、小学生中学年高学年ぐらいから使用できると言われています。
AEDの使用法、心肺蘇生法などの救命講習を通して、命の教育をしてほしいです。
AEDがあったのに使わなかったというのは、問題外です
まず、目立つ場所にAEDを設置し、日頃からの定期的な救命講習(年1回)など
授業で定期的に取り上げれば解決すると思います。
ほかに、AEDの管理の問題も目立ちませんが発生しています。
消耗品の期限管理、AEDが正常な状態かインジケータの目視の確認などされていない施設も、ニュースにならないだけで数多くあります。
是非、お手元にあるAEDや、身近に設置されているAEDが正常な状態か確認してください。
また、消耗品の期限が切れていないか確認してください。
救命講習を定期的に受けているか確認してください。
発生するかしないかわからないからといって、救命の備えに対する対応を後回しにしていることがないか確認してください。
救命コムでは、AEDなどの備えの期限管理ができるサイトをつくりました。
期限管理インフォメーション
無料でご利用いただけます。
公共施設や会社組織でも管理しやすいよう、設置カ所毎にAEDや消耗品などの登録でき
登録商品の交換期限を事前にメールでお知らせします。
このようなささやかなことしか、まだできておりませんが
期限管理は、いつやってくるか分からない備えの生命線です。
必要な時に役に立つように、期限管理をしてください。
是非、周りの方にも期限管理をおすすめしていただけませんでしょうか。
必要な時に、AEDなどの備えが使われるよう願います。
限りある命ですが精一杯生きれるよう、助けてください。